ここはとある鎌倉は小町にある老舗のカフェだ。定期的に足を運ぶ私だが、それには理由がある。30年前から愛飲しているここのカフェは当時は1杯1300円から1500円もする高価な一品だった。しかし、現在ではその約半額になり提供されている。それでもご当地の鎌倉では高プライスナお店の一つだろう。豆の希少価値でもなければ世界レベルのバリスタが挽いたものでもない、これは経済の構造変化に伴う時代の趨勢を物語っている。だから身にしみて味わい深い。30年前のバブル崩壊から失われた10年とも20年とも言われた流れの中でのプライス変化であり、それでも今なおこのレトロ系の空間と絵画の世界を彷彿させるコンセプトを維持しているのは興味深い。シアトル系カフェのスタバや、名古屋文化のコメダ珈琲でもない。全国で後何店舗存在するのだろうか?
当時の使用されていた陶器とはあまりにも格差があり、いつも違和感を感じているカップを眺めながら。